また余計なことを・・・

30代、どう楽しく緩やかに生きよう

#MeTooについての取材を受けました。

 

こんにちは。石川優実@ishikawa_yumi)です。

#MeTooについての取材を受けました。

先日、ライターの大久保舞さんから#MeTooについて受けた取材の記事が公開されました。
その記事の中で話しきれなかったことを、新たにまとめて下さり、私のブログに掲載することを提案して下さいました。

出来上がった記事を読ませていただき、私の言いたいこと・伝えたいことをしっかりと書いて下さっていてとても嬉しい気持ちになりました。
大久保さんとお話させていただいている中で、また私の中でも新たな気持ちが生まれたり、とても有意義な取材をしていただいたな、と感じています。

喋り過ぎてしまったのでちょっと記事も長いですが笑
うまくまとめて下さった大久保さんに本当に感謝です。有難うございます。

どうぞ、読んでいただけたら嬉しいです。

 

MeTooした女優にインタビュー。当時の心境・その後の反響は?

大久保:石川さんは昨年末(2017年)、noteでありのままの性被害を告発するという、日本の芸能界での#MeTooの先駆けとして、声を上げられましたよね。

その概要はこちら

>>日本の芸能界で#MeTooの先駆けとなった女性・石川優実さんにインタビュー - yummy! 無料占い&コラム

magazine.gow.asia

で書かせていただきました。

こちらでは書ききれなかったことをこの記事では書きたいと思うのですが、まずは、告発される際に、セカンドレイプセカンドハラスメント(性被害者への二次被害)の可能性に関してはどうお考えになられていましたか。

 

石川:

セカンドレイプセカンドハラスメントのようなことは、もうずっと言われ慣れていて。
noteでの告発は、そういったことを言わせない文章を書いた、ということはあると思います。
ただそれは、セカンドレイプを防止するためというよりは、実際に「自分が悪い」と思ってきたからなんですよ。ありのままの感情だったんです。

 

大久保:

石川さんの告発に勇気をもらったという女性は多いと思うのですが、私もその一人です。

やはり、現役で芸能界で活動されている方がありのままの告発をしてくださった、というのは大きかったです。

それに加えて「自分だけが被害者なんです」という書き方ではなかった、ということもあるかもしれません。

 

石川:

自分が被害者だと思っていたら、今まで性被害を受けたときにその場で言えていたと思うんですよね。

自分が悪いことは分かっているという上で、告発をしました。

ただ、セカンドレイプ対策をしていない文章だったら「お前がブスだから、しっかりしていなかったから」と言われてしまっていたのではないか、とも思います。

そうなってしまっては意味がないと感じました。私のことを叩くような文章でネット上が溢れ返ったらなんの意味もないと思ったんです。性被害問題の解決にはつながらないですよね。

だからこそ、セカンドレイプを受けないような書き方で告発文を書いた、という面もあります。

 

大久保:

石川さんは性に関して、女性の自慰行為やセックスといった、様々なことをブログや外部媒体で書かれていますよね。

そういった「性に関して語っている人」でも嫌なものは嫌なんだ、ということがハッキリと伝わってきたこともよかったです。

 

石川:

「露出をしているんだから、そんな目にあっても仕方ないだろ」のように言われたこともあります。

何かをしたから被害を受けていい人なんていないんですよね。

「(映画で)ヌードになっているくせに」とも言われましたが、自分がやりたかったことと、人にやらされたこと・許可なく出されたものは全然違うんです。それをとても理解してほしいです。

 

大久保:

そのとおりですよね。

私は「相手もこの行為(セクハラ・性被害)で喜ぶと思っている」といった、加害者側の認知の歪みが怖いのですが、石川さんの場合、加害者側の考え方はどのようなものでしたか。

 

石川:

私の場合は、加害者は私が嫌がっているのは完全に分かっていましたね。
私が嫌がっていることは分かった上で、強要してきたんです。
だからこそ私は、より加害者のことを恨んでしまいました。

本当に「相手が喜んでいる」と勘違いしているのであれば、比べるものではないですけどまだマシというか、救いようがあると思います。
嫌だと伝えることで、加害者の認識が変わることがありますから。
嫌がっているのを分かっているのに立場を利用して、というのが最悪のパターンですよね。

 

大久保:

それは本当にひどい話ですね。
ひどいとしか言いようがないというか、絶句です⋯⋯。

 

石川:

ただ、すごく思うのが、加害者をかばうわけではないのですが、加害者の人たちが皆、幸せそうではなかったんです。

自分を大きく見せることに精一杯だった人たちが多かった気がします。
加害者のほうも自分に自信がない、何かが足りないと思っているのではないでしょうか。

誰にでも被害者にも、加害者にもなる可能性があると思うんです。
だからこそ、一人一人が自分を尊重しないといけないですよね。
というか、自分が自分と向き合うことをずっとし続けていかないといけないと思いました。

加害者の人だって、誰かを傷付けて加害者になって、それが本当に幸せなのか?そうして得た快楽やお金、名誉は本当に自分の心を満たしているのか、向き合わないといけないと思います。

 

大久保:

加害者側の心の問題というのは大きいですよね。

#MeTooの告発は自己満足だという世間の声もありますが、それに対しては石川さんはどうお考えになられますか。

 

石川:

私は自己満足でもいいと思うんですよね。

誰かのためにやることではなくて、被害を告発することで、自分の傷が癒されるのであれば、告発すべきだと思うんです。

「声を上げた人は同情してもらいたいだけじゃないか」のような意見もありますが、同情してあげるべきでは?とさえ感じます。私は同情されて、今まで抱えてきた辛い気持ちからだいぶ解放されましたから。「分かってくれる人がいる」って大きいです。

もちろん、#MeTooの告発や活動によって、今後セクハラや性被害をなくしていくことは大切なことです。

けれどそれと同時に、被害を受けた人の傷を癒やすことも大切だと思うんですよね。
声を上げて共感をしてもらえて、やっと癒されることもありますから。
その人の心が健康になっていくことも大切です。

逆に、言うのが辛いなら言わなくてもいい。
被害者は全員声を上げろ!みたいな人もいますが、私はちょっと違うと思っています。

 

大久保:

#MeTooは必ずしも全面的に、大々的に加害者と戦え、という意味ではありませんもんね。

 

石川:

そうなんです。周りの人も、何事も強制してほしくないな、と思います。

ある方に「世間のことを本当に考えているなら、もっとちゃんとやってください」といったことを言われましたが、被害者に背負わせるな、というのが本音ですね。
私、ボランティア活動のようなものですからね。誰かに頼まれたわけでも、お金をもらって仕事でやっているわけでもない。

「もっとこうしてください」のような言葉は、アドバイスであればありたがいのですが「世界のためにこうしてくれ」というのは違和感がありますね。

「社会のためにではなく、まずは自分の傷を癒やすための告発」でもいいと思うんです。

 

大久保:

石川さんは、これからもセクハラ・性被害撲滅のための活動を続けていかれると思うのですが、それは他人に強制されてやっていることではないですもんね。

 

石川:

はい。今活動をされている人も、自分がやめたくなったら、いつでもやめていいと思います。

セクハラや性被害に関して何かを言ったからといって、ずっと言い続けなければならないという決まりなんて当たり前ですがもちろんありませんから。

今は自分は一生活動をやり続けるつもりですが、しんどくなったらやめるつもりです。

ただ、私は多分やめないですね。もう、精神的に落ちすぎることはないでしょうから。セカンドレイプを受け続けていた期間が長く辛かったので、むしろ、今はやっと分かってもらえることができて幸せです。

#metooの流れが来るまでずーっと、掲示板やネット上で「ブスなんだから脱げ」とか、「才能がないんだから脱ぐしかない」とか、性的に不快だと思われることを言われて反抗すると「そういう仕事をしているから仕方がないのでは・・・?」とか、本当に言われまくってきたので。10年間くらいですよね。もう慣れてしまいましたよ。

今回告発をして、性暴力に対しての意見を発信するようになり、賛同者があらわれたことで救われました。とくに、女性から連絡がきたのがうれしかったですね。「私だけが被害者じゃなかったんだ」と。

 

大久保:

被害を受けたことが、自分だけではないと知ることができるというのは、#MeTooの大きなメリットですよね。

私も、あなたも、というあたたかい言葉のハッシュタグなのだと思います。

そこで、石川さんが告発によって一番伝えたかったことをお聞かせください。

 

石川:

加害者が悪い。それは当たり前のことです。

ただ「自分で防ぐことができることもある」というのは伝えたいですね。

誤解しないで欲しいのが、被害が起きてしまったときに、自分を責めるのはあってはならないことなのです。ここを絶対に間違えないで欲しい。被害に遭った相手に「自衛をしないから」と言うのは絶対に私は間違っていると思う。

その前に、普段から自分のことを一番大切にしてほしいです。

自分のやりたいこと(仕事など)を見極めて、明らかに尊重されないやり方をされているときは怒っていい、怒らないといけないと思います。

自分に自信がない人は、自分に厳しすぎるんです。

そういう人に「頑張らないからそうなるんだよ」と言うのではなく、逆に「頑張らなくてもいいんだよ」と伝えたいというか。

被害を受けていた当時の自分も、我慢して頑張ってきましたが、今は頑張っていません。

 

大久保:

自分が根本的にやりたくないことをやる必要はないですもんね。

ただ、とくに仕事ですと、拒否をすることで様々な支障が出てしまうのではないか⋯⋯という心配をされている方も多いと思うのですが、それに関してはいかがでしょうか。

 

石川:

今私は、自分のやりたい仕事だけをやっています。ある種、ワガママなのかもしれませんが、そうなってからのほうが、仕事もきています。

だからこそ、どんな方でも、頑張る方向を間違えないでほしいですね。
一つの仕事、環境に執着をしすぎないことが大切です。
もし嫌な仕事を、ちゃんと断ることができたら、もっといい仕事がくるかも。私はそうでした。嫌なことをしていると、本当にやりたいことにエネルギーが使えなくなってしまう。

 

大久保:

辛かった経験があったからこそ、今の石川さんがあるのですね。

石川さんはよく「嫌なことは人によって違う」といった発言をされていますが、その発言の本質はなんですか。

 

石川:

誰かが「これは嫌だ」と言ったことがあるとしたら、それを否定してはいけないと思うんです。

でも、現実には否定する・されることがとても多いですよね。

私は頭を触られることがとても苦手なんですが、飲み屋で触られることを相談しても「そんなことで」と言われてしまって。

人によって嫌なことは本当に違いますよね。もしやったことが嫌だと言われたら「ああ、じゃあそれはやめておくね、嫌なんだ」で終わればすむ話なんです。

嫌だと言ったときに「そんなの嫌なわけないだろ」「減るもんじゃないし」などと言われることがおかしいと思います。

その人のこと好きだったらよかったんでしょ、と言われることもありますが、それも違うんです。

好きだったらいい場合も確かにあります。ですが、それはセックスできる・できないのと同じ話で。

「あなたのことは好きだからセックスできるけど、あなたのことは好きじゃないからセックスできない」こういった感情は、ごく自然なものではないでしょうか。

例えば「イケメンならいい」というのも本質ではないことは、元TOKIOの山口氏の件でも分かりますよね。

 

大久保:

山口氏の件では、被害者に対してまさにセカンドレイプが行われていましたよね。

 

石川:

すぐに被害者の非を探すのはなんなんでしょうね。実に変な風潮だなと思います。

痴漢やレイプが起きても「挑発する格好のせいで」とか言う人もいますが、そんなわけがないですよね。

女性がどんな格好をしても自由ですし、なぜ女性が被害を受けないために、いわば加害者に合わせないといけないんだ?と。

そして「被害者もうれしかったのではないか」という意見さえもありますよね。

 

大久保:

私も自らの性被害を#MeTooとして告発したりしましたが、性被害を受けてうれしいわけがないですよね。

ただ、加害者には私の「辛かった・嫌だった」という気持ちが届いていないでしょうし、加害者からしてみれば、加害者であった自覚もないのだろうなと思います。

 

石川:

私もそれはありますね。嫌な仕事でも「自分のやりたいことだから」と、自分自身を洗脳していたという面があります。

だから、はたから見れば、やりたくない仕事や、セクハラ・性被害でも、私が嫌がっているようには見えなかったかもしれません。

けれど、今こうして告発をしているのは、当時辛かったからなんですよね。

喜んでやったことなら自分で堂々と話します。堂々と話しにくいというのは、辛かったからこそなんです。

よく言われるのが「枕営業で仕事をもらっていたら告発しなかったでしょ、仕事をもらえなかったから告発したんでしょ」といった意見です。

ですが、仕事をもらってたら、今でも自分の気持ちをごまかし続けて、自分を殺して生きていたと思います。

仕事をもらっていたとしても、枕営業という行為が嫌だったという事実は消えません。仕事の対価になり得るものではないんです。

 

大久保:

「仕事をあげるから、体を差し出せ」というのはあまりにもおかしな話ですよね。
石川さんのおっしゃるとおり、対価になり得るものではないと思います。

 

石川:

枕営業で楽したんだからお前も悪い」みたいに言われることもあるのですが、当時の自分としては、楽だという気持ちは全くありませんでした。

「セックスをしたら仕事をもらえるんだ、ラッキー」ではなく「私はセックスをしなければ、仕事をもらえない人間なんだ」と思っていましたね。

セックスをすれば、楽して仕事をとれるという感覚だったら、私はこうして告発や活動をしていないでしょうから。

枕営業を本当に楽とか楽しいことだと思う人はやればいいと思うんです。楽しめる人も中にはいるでしょうから。そういう性癖の人もいるかもしれないですし。権力者と行為をすることに興奮を覚えるとか。いてもおかしくないですよね。

ただそれは、その人のセックスの形であって、枕営業を望んでいない人に強要することではないですよね。

ですから、枕営業を絶対するなとは言えませんが「我慢してやる」という気持ちが少しでもあるのであれば、やらないべきです。

「ぜひ枕営業をやりたい」という人のみ、やるべきことなんですよね。
あとから苦しんだりするのであれば、やるべきではないと思います。

 

大久保:

枕営業をすること自体を否定するというよりは、強要する加害者に対しての怒りですよね。

そういった怒りを発信していく中で、石川さんが世間の反応で嫌だったものはなんでしょうか。

 

石川:

やはり、一番嫌だったのは「売名」ですね。そんな考え方があるのだなと。
「ビジネスMeToo」と言われたりしました。
そもそも「売名」という言葉自体がおかしなものですよね。

私は芸能人なので、名前を売るために活動していて当たり前なんですよ。
自分の目的は性被害をなくすことです。だから、名前を売ってその思いや活動が広まればいいと思います。

ただ、基本的に叩かれるのは慣れっこですね(苦笑)。批判とは別の誹謗中傷のようなものは。
叩く人側に原因があると思っているし、私は匿名で人のことを傷付けようとして傷付ける人のことを軽蔑していて、可哀想だなと思っているので。

もし今後傷つくとしたら、友達に売名だと言われることですね。
世間の人のことは直接は知りませんから、まだいいのですが、身近な人に売名だと言われたらさすがに悲しいです。

 

大久保:

売名だという言葉自体がおかしなものだとは、私も思います。
被害者として声を上げると、どうしても叩かれてしまいがちですよね。

 

石川:

びっくりしたんですけれど、パチンコ・パチスロが好きというだけで叩かれたこともあったんです。
セックスの話を書いているくせに、と言われたりもします。
私がパチンコをしていようと、セックスの話をしていようと、セクハラしてはダメですよね。

伊藤詩織さん(レイプ被害を告発、告発本『Black Box』を出版した女性)がメディアに出たときも「シャツのボタンが開いている」ということで叩かれていることを見聞きして。

被害者は普通に生きてはいけないのか?と思います。
被害者に純潔なイメージを求めているのでしょうか。

ある人が悲しい目にあった、それはある人にバチがあたった、ような「結果と原因を求める風潮」が根強いこともあると思います。

それは違いますよね。殺人でも同じことをいえますか?と言いたいです。
なんでもかんでも被害者のほうに原因を探す風潮をやめてほしいですし、変えたいです。

 

大久保:

貴重なお話を、誠にありがとうございました。
最後に、この記事を読んだ方に一言お願いします。

 

石川:

私は、自分の被害経験を話しとても癒やされました。

だからこそ言いたいのは「#MeTooは誰かのためではなく、自分のためでいい」ということですね。

誰もが、まず自分自身のことを尊重する世の中になってほしいと思います。
そうすれば同じように、他人のことも尊重できるようになるはずですから。



インタビュアー:大久保 舞

1989年2月生まれのアラサーの子持ち既婚者。

フリーライターとして、Web上で恋愛コラムをメインに執筆している。

石川さんの告発に勇気をもらい、自分自身の性被害経験を

>>#MeToo運動から今セクハラ被害を受けている人達へ - yummy! 無料占い&コラム

にて告発。

いじめや性被害問題に関して積極的に問題提起を行っていきたいと考えている。

 

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大久保 舞@フリーライター (@ookubo_mai) | Twitter

 

note:

大久保 舞(ライター)|note

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